丹波篠山市における部活動の地域展開・認定クラブ・運用体制について


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本会議では、丹波篠山市における中学校部活動の地域展開について、国の方針、令和8年度以降の認定地域クラブの見通し、学校部活動との役割分担、保護者負担、施設利用、指導体制、今後の課題などについて説明と意見交換が行われた。


1. 会議の主な内容

① 部活動の地域展開の方針と背景

国の方針では、令和8年度から部活動改革の実行期間前期が本格的に始まる位置づけとなっている。背景には、教員の長時間労働、専門外競技を担当せざるを得ない現状、少子化によるチーム編成の困難、子どもたちが希望する競技を選びにくくなっている状況がある。

丹波篠山市としては、これまで学校部活動が担ってきた教育的意義を大切にしながら、地域指導者や競技団体と連携し、学校外でも子どもたちが希望する活動に継続して取り組める仕組みを整えていく方針である。

目的は、部活動の良さを継承しつつ、子どもたちの活動機会を維持・拡大すること、教員の負担を軽減すること、地域全体で子どもを育てる体制をつくることである。

結論として、丹波篠山市では、学校部活動を一気に廃止するのではなく、地域クラブとの連携を進めながら、段階的に地域展開を拡大していく方針が示された。


② 令和8年度時点の認定地域クラブと今後の予定

令和8年4月時点で認定予定または認定済みの地域クラブとして、剣道、ホッケー、サッカー、ソフトボール、男子バレーボールが挙げられた。いずれも各1チームからのスタートとなる。

夏以降には、軟式野球、男女バスケットボールの開始が予定されている。また、令和9年度の開始を目標として、ソフトテニス、陸上競技については体験会などの準備が進められている。

現在協議中の種目としては、卓球、女子バレーボールがある。卓球については、顧問や地域指導員との連携による合同練習会などが検討されている。女子バレーボールについては、複数チームの立ち上げも視野に入れながら、指導者確保や運営体制について協議が進められている。

文化部については、吹奏楽部について現場や地域の実情把握を踏まえながら協議を始める段階である。美術部、家庭科部については、地域クラブとして活動できる団体を引き続き募集している。

全体としては、まずスポーツ系の部活動から地域展開が先行しており、文化部については今後、実情把握と団体募集を進めながら展開を検討していく段階である。


③ 平日と休日の役割分担・指導連携

当面の運用としては、休日の大会、試合、練習などを地域クラブが担い、平日は従来どおり学校の顧問が部活動を担当する形が基本となる。

ただし、平日の顧問がその競技の専門ではない場合もあるため、休日の地域指導者から練習課題やメニューを共有するなど、学校と地域クラブが連携して指導の一貫性を保つ必要がある。連絡ツールなどを活用し、平日と休日で子どもたちが混乱しないようにする工夫が求められる。

将来的には全競技の地域展開を目指す方向であるが、当面は学校部活動と地域クラブが併走する移行期間となる。

このため、平日と休日の指導内容が分断されないよう、情報共有の仕組みや役割分担を明確にすることが重要な課題である。


④ 大会参加・施設利用・ガイドライン遵守

中体連や各競技団体が主催する大会への参加については、教育委員会が一括申請を行い、これまでと同様に大会参加に関する補助も継続される方向である。

公共施設の使用についても、従来の学校部活動と同様に減免対象とする考え方が示された。

一方で、認定地域クラブとして活動するためには、兵庫県の活動ルールや部活動ガイドラインを遵守することが前提となる。活動時間、休養日、安全配慮などについて、学校部活動と同等の基準を意識した運用が求められる。

中体連については、当面は存続する見込みであるが、将来的にどのような形で継続されるかは未確定である。そのため、市としても国・県・中体連の動向を確認しながら、柔軟に対応していく必要がある。


⑤ 予算措置・保護者負担・ユニフォーム等

地域クラブの運営にあたっては、指導者への謝金が支給される。例として、4時間で5,400円程度の上限が示された。

また、団体運営に対する補助金も設けられる。大会参加補助についても、これまでの学校部活動と同様に継続される見込みである。

一方で、地域クラブでは会費の徴収が基本となる。会費は月額2,000円から4,000円程度を上限目安とし、使途については各団体の裁量に委ねられる。ユニフォーム、消耗品、交通費、審判ライセンス取得費などに充てることが想定されている。

ユニフォームについては、移行期に学校部活動用と地域クラブ用を二重に購入することがないよう、保護者への周知が重要となる。特に夏以降に地域展開する競技については、新1年生に対して購入を見合わせる案内を行うなど、無駄な負担を避ける配慮が必要である。


2. 地域・保護者から出された主な懸念

① 地域偏在と送迎負担

城東・多紀地区などでは、活動場所が遠方になった場合、保護者の送迎負担が大きくなることへの懸念が出された。特定の地域に活動拠点が偏ると、子どもが希望する競技を続けにくくなる可能性がある。

これに対し、現時点では送迎は保護者にお願いする形が基本とされたが、種目や施設が偏らないよう、施設の分散活用を検討する必要があるとの認識が示された。また、可能な範囲で校内活動を残したいという意向も示された。

② 平日と休日の指導の違い

女子バレーボールなどでは、平日の学校顧問と休日の地域指導者で指導方針が異なることにより、子どもたちが混乱するのではないかという懸念が出された。

これに対しては、地域指導者と学校顧問の連携を強化し、OB教員や関係者にも声をかけながら、指導体制を整えていく必要があるとの説明があった。

③ 活動日・活動時間

「新たな学びの日」や月曜日の活動可否、練習時間の確保についても意見が出された。活動時間が十分に取れない場合、競技力や子どもの満足度に影響するのではないかという懸念がある。

これについては、校長判断や学校ごとの事情も踏まえ、今後持ち帰って検討することとなった。

④ 活動量管理と安全配慮

地域クラブ化した後も、活動時間や休養日、遠征頻度などについて一定のルールが必要であるとの意見があった。地域クラブごとに活動量が大きく異なると、子どもの負担や安全面で差が出る可能性がある。

市としては、ガイドライン遵守を前提とし、各団体に周知していく方針である。

⑤ ユニフォーム・備品購入

指導者のユニフォーム支給の有無や、競技ごとの対応の違いについても質問があった。補助金の範囲内で対応可能との説明があったが、競技ごとに差が出ないよう、購入時期や補助範囲をわかりやすく示す必要がある。

⑥ 練習場所の確保

平日に自校や地域施設を使えるようにしてほしいという要望も出された。これについては即答はできず、意見として持ち帰ることとなった。


3. 事務局体制と今後の進め方

現在は教育委員会が中心となって制度設計や調整を行っているが、将来的には地域クラブの運営事務局を別の運営団体へ移管することも想定されている。

社会教育側では、市スポーツ協会に加盟する19団体とも連携し、各競技団体と経済面・運営面で連動しながら、持続可能な地域クラブ体制を整えていく方針である。

今回が初めての説明会であり、今後も学校教育部門と連携しながら、複数回の説明会を開催し、保護者、学校、地域団体、指導者などから幅広く意見を集めていく予定である。


4. 今後の主な段取り

  1. 種目・施設の地域偏在を避ける配置案を検討し、城東・多紀地区を含めた地域別の活動拠点案を示す。
  2. 月曜日や「新たな学びの日」の活動可否について、各校長と協議し、保護者へ方針を周知する。
  3. 女子バレーボールなど、指導者確保が課題となっている種目について、OB教員や競技関係者へ公式に協力を依頼する。
  4. 平日と休日の指導連携について、練習メニュー、課題共有、連絡ツールの使い方などを整理した運用手順書を作成する。
  5. 活動時間、休養日、遠征頻度、安全管理などについて、ガイドラインに基づく活動量の目安を文書化し、認定地域クラブへ周知する。
  6. ユニフォームや備品購入について、購入時期、補助対象、保護者負担の目安をまとめたガイドを作成する。
  7. 平日の練習場所として、学校施設や公共施設をどこまで開放できるか調整し、可能な範囲で試行する。
  8. 各中学校の現行部活動一覧と、今後残る見込み・地域展開予定を保護者向けに情報提供する。
  9. 今後の説明会日程を早期に設定し、PTAや学校を通じて広く周知する。

5. 現時点で残っている重要課題

今回の説明会では、方向性は示されたものの、具体的な制度設計が未確定の部分も多く残っている。

特に重要な課題は次の5点である。

① 地域偏在と送迎負担への具体策

活動場所が一部地域に偏った場合、送迎できる家庭とできない家庭で参加機会に差が出る可能性がある。城東・多紀地区など、地理的に不利になりやすい地域への配慮が必要である。

今後は、サテライト会場、巡回指導、学校施設の活用、送迎支援の可能性など、具体的な対策を示す必要がある。

② 活動量・安全配慮の統一基準

地域クラブごとに活動時間や練習量が大きく異なると、子どもの負担に差が出る。学校部活動と同様に、休養日、活動時間、遠征、熱中症対策、事故対応などについて、統一的な基準を明文化する必要がある。

③ 平日と休日の連携方法

学校顧問と地域指導者の連携が不十分だと、平日と休日で指導内容が分断される可能性がある。練習メニューの共有、子どもの状態の引き継ぎ、けがや不調の情報共有など、標準的な連携ルールを作る必要がある。

④ 指導者確保と研修体制

競技ごとに必要な指導者数、募集方法、資格要件、研修、安全管理、ハラスメント防止、子ども理解などの仕組みがまだ十分に見えていない。単に競技経験がある人を集めるだけでなく、教育的視点を持った指導者を育成する体制が必要である。

⑤ 練習場所の確保と利用ルール

学校施設や公共施設をどのように使うのか、利用申請の流れ、利用料減免の範囲、優先順位、鍵の管理、安全管理責任などを整理する必要がある。施設が確保できなければ、地域クラブの安定運営は難しい。


6. まとめ

今回の会議では、丹波篠山市における部活動の地域展開について、令和8年度から段階的に進めていく方針が示された。スポーツ系の一部種目では認定地域クラブの準備が進んでおり、今後は文化部も含めて展開を広げていく方向である。

一方で、地域偏在、送迎負担、指導者確保、平日と休日の連携、活動量の管理、施設利用、保護者負担など、実際の運用に関わる重要課題はまだ多く残されている。

特に、子どもたちにとって「希望する活動を続けられる制度」になるのか、それとも「送迎できる家庭だけが参加しやすい制度」になるのかは、今後の制度設計に大きく左右される。

今後は、理念だけでなく、地域別・種目別・家庭負担別に具体的な運用案を示し、保護者や学校、地域団体の不安に丁寧に応えていくことが求められる。